手作りでデザインにこだわりを! 槌目模様と手書きイラストの入ったホワイトゴールドの結婚指輪
お客様の声
R・S様
お姉さんが優しく丁寧にアドバイスしてくれてとても良かったです。
全ての工程が楽しくて、やみつきになりそうです!
M・M様
Instagramで手作りの指輪を探していた時、ついぶ川越工房さんの指輪が可愛いと思いました。
作品集なども見て決めていた槌目型の指輪を、実際に作ってみたらとても楽しかったです!
制作風景
今回ご紹介していくのは、素材、デザイン、内側の文字入れ内容までこだわったご夫婦の指輪作り。
日本において、結婚指輪の素材で定番なものとして使われるのは銀色系のプラチナですが、お二人は一味違った色味が良いということでホワイトゴールドを選ばれました。
ホワイトゴールドはK18の中でも、パラジウムや銀を混ぜ込み脱色しており、元の金色をやや残した銀色系という魅力的な素材です。
そして何よりデザインにお二人のこだわりが詰まっており、今回は槌目型 + 一部サンドブラストという形を選ばれました。
ベースデザインはハンマーで模様をつけた槌目型を、一部は模様をつけない平打型にサンドブラスト。そして奥様と旦那様の指輪を重ねるとそのサンドブラストの面が末広がりになりつつ繋がった形になるデザイン。
結婚指輪をお探しになる段階で様々な指輪の写真などを調べ、お二人で相談し、こういったデザインをご希望されました。
これらのご希望を叶えていくにあたり、私たちついぶ工房スタッフの出番となります。
理想のデザインを納得できる形で手作りできるようお手伝いしつつ、お二人の様子をご紹介していきます!
始まりは棒から!お二人の笑顔で指輪の手作りスタート!
指輪の手作り体験にも様々な形がありますが、ついぶ工房では「一本の棒から」始まって指輪を作る鍛造技法で制作していきます。
中には「ちゃんと作れるかな」「難しそう」という不安の声もたくさんありますが、その一方で「どんな作業ができるんだろう」としたワクワク感も多くあります。
始まる前にお二人の写真をパシャリ!
笑顔とピースが素敵で、まさにこれからのワクワク感を楽しみにされている表情ですね♪
制作はお互いの分を作ることも、ご自身の分を作ることも可能。今回は「自分の指輪は自分で作りたい!」ということで、それぞれご自身の指輪を制作されることになりました。
それでは、いよいよここから作業が始まってまいります。
まずは『焼きなまし』という作業で、ホワイトゴールドの棒を柔らかくします。
当工房で扱っている結婚指輪向けの素材は、プラチナ、イエローゴールド、ホワイトゴールド、ピンクゴールドの4種。
ホワイトゴールドはその中でもやや柔らかく、曲げやすい材料ではあります。
しかしながら、それでも最初の状態で曲げるのは非常に難しい……なので、まずはこういった作業が必要となるんです。
写真のようにガスバーナーで材料を温め、急冷することで材料が柔らかくなります。
こうしてエプロンを着てガスバーナーを触る機会もなかなかありません。こうした体験中の光景をカメラで撮影しても問題ないので、ご自由なタイミングで行ってくださいね。旦那様もスマートフォンのカメラを構えて奥様の様子を撮影♪
バーナー作業は少し怖いかもしれませんが、担当スタッフが安全管理のもと指示をしますのでご安心を。
ホワイトゴールドが赤くなるまで熱して急冷、無事に焼きなましができました!
お次は、曲げる作業。
柔らかくなった材料は、手でも曲げることができます。
しかしこの先は材料の両断面をピッタリくっつける必要があり、その作業を素手で曲げてこなすのは非常に困難……。
そこでヤットコというペンチのような工具を使い、少しずつ輪っかの形に曲げていきます。
実はこの作業、ただ曲げるだけのように見えて指輪作りの全工程の中でも難易度が高い方。これまでのお客様でも苦戦される方の割合が多い部分になります。
……しかし!
担当スタッフが驚くほど、今回はお二人とも器用に材料を曲げていきます。
写真右側が作業の成果。平時は担当スタッフがお手伝いしてこの状態になることがほとんどなのですが、この時はほぼお手伝いすることなく輪っかの形を作ることができました。素晴らしいです!
ですが、この状態を見てお二人とも「きれいな丸じゃないけど……」と疑問に感じられたご様子。それもそのはず、今日は真ん丸な指輪を作りに来ています。
でもこれで大丈夫。この先どうなるかドキドキですが、作業を次へと進めていきましょう!
お次の作業は溶接。『ロー付け』という技法で断面同士をくっつけていきます。
溶接にも母材同士をそのまま付ける『共付け溶接』などありますがそちらは非常に高温かつ難しい方法。
『ロー付け』は所謂はんだ付けのようなもので、溶接材を使って比較的低温で断面同士をくっつけることができる、初めてのお客様でもやりやすい溶接技法となります。
とはいえ、ガスバーナーを再び使っていくので緊張しますよね。
ここもしっかり担当スタッフがサポートしますので、ご安心ください!
まずは担当スタッフが溶接したい断面同士の箇所へホワイトゴールド用の『ロー』という小さな金属チップを乗せます。
そして今度は旦那様が先にガスバーナーでホワイトゴールドを熱していきます。ガスバーナーの勢いに恐れることなく、しっかりと火を当てていく旦那様。
温度が徐々に上がっていきプラチナが真っ赤になった瞬間、先程の金属チップが溶け、断面同士の中に流れていきました!
「今のでくっついたの?」と不思議そうな表情でしたが、両手で溶接した箇所を引っ張っても離れることなく、しっかりとくっつきました♪
ハンマー作業で指輪の形にして、デザイン付け!
お二人ともくっついた輪っかになったので、次は『新円出し』になります。
ハンマーでトントンカンカンと叩いていく作業なので、作ってる実感もあって人気の工程。
芯金棒という丸い棒に輪っかを通し、ハンマーで叩いていくことで、輪っかがどんどん芯金棒の丸い形に変形していき、最後には真ん丸になっていく作業となります。
作業を始めていく前に、ここでお二人のツーショットを一枚♪
まだまだ作業は続いていくので頑張っていただきます!
芯金棒に通したホワイトゴールドの輪っかをどんどん叩いていくお二人。
ここまでの作業もスムーズでしたが、ハンマー作業も滞りなく進んでいきます。
写真右側の通り、きれいな丸い形になりました!
もうこの段階で指輪だなという実感が湧いたようで、お二人も嬉しそうなご様子。
ちなみに今回のお二人は槌目型をベースにしたデザインの制作ですが、ここでは木槌という木製のハンマーで叩くので模様はつきません。
手順としては、指輪を真ん丸にして、表面を綺麗に整え、その後にハンマーで槌目模様をつけていきます。
次は表面の『ヤスリ作業』。
一見して綺麗な指輪の形になっているように見えますが、実はここまでの作業でヤットコで握った傷痕や木槌で叩いた少しの凹みなど、様々な作業の傷などがついています。
このまま槌目模様をつけようとすると汚い模様になってしまうため、一度指輪の表面を綺麗にしていかなければなりません。
写真左のように、まずは金属製のヤスリで粗い傷を削り取り、続いてスポンジ型のヤスリで擦って更にきめ細かい表面の仕上げにしていきます。
先程は楽しそうに指輪を叩いていたお二人でしたが、こちらの工程ではとても真剣な表情。
綺麗な指輪を作るため、傷を見逃さないようにしっかりと作業していただきました♪
そしていよいよ『槌目の模様付け』をやっていきます!
槌目型の指輪を作るにあたっては、デザインをつけるメインの作業といっても過言ではありません。
先程は木槌という木製のハンマーで指輪を叩きましたが、今度はしっかりと磨かれた金鎚で叩いていきます。そうすることで、金鎚があたったところが凹み、これが重なっていくことで槌目模様になっていきます。
槌目模様は同じ人が二度やっても全く同じ模様にはなりません。そういった意味でもオリジナルの唯一無二なデザインになりますね♪
しかしこの作業は模様付けだけではなく、指輪のサイズ調整も兼ねています。指輪を金鎚で叩くとどんどんホワイトゴールドが伸びてサイズが大きくなっていくんです。
最初は少し小さいサイズで作っているので、模様をつけながらサイズを大きくし、自分たちの指に合ったサイズに調節していくという流れ。
更に、今回お二人が作っていく指輪は、一部だけ模様をつけないデザイン。
担当スタッフから「ここは叩かないようにしてくださいね」と指示があり、より慎重に金鎚を握るお二人。
早速、旦那様がカンカンカンと金属音を響かせながら金鎚を打ち付けていきます。
槌目模様は、叩く強さによっても雰囲気が大きく変わってきます。
奥様が叩いているところを見て、「どんな感じ?」と見守る旦那様。
どうやら全工程を通して旦那様が一番苦戦したのはこの作業だったそうで、奥様が気になるご様子。
お互いどんな模様になるか、とっても楽しみですね!
無事に模様付けが終わりました。ここからはお二人が試着するため、担当スタッフによる指輪内側の角を削る工程。
指輪の内側はフラットな状態ではなく、少し丸みをつけた内甲丸(うちこうまる)という状態にし、指輪当たりを良くします。
この工程は少しお時間をいただくので、その間にお二人は違う作業をしていただきます。
それは、ご希望があった『手書き印字』の内容決めです!
手書き印字は、通常のような決まった文字を入れる印字と異なり、自分たちで書いたイラストや文字をそのまま指輪に刻むことができる、ついぶ工房でも人気のオプション加工。
今回のお二人は、自分たちが飼っている犬とハリネズミを指輪の内側に入れたいとのことでした。大切な家族たちを描いて指輪に刻むなんてとっても素敵ですね!
模様付け、サイズ合わせとフィッティングも終わればもう下り坂。
残るは『内側の磨き作業』、そして『研磨』です
指輪の内側というと、表面から見えないところ。「そんなに作業しないところなのでは?」と思われるお客様も多いのではないかと思われます。
しかし、イメージしてみてください。
指輪をつけた時、常に肌が触れているのは指輪の内側。そしてその着け心地は、内側がしっかり磨かれているかどうか大きく左右されるんです。
特に結婚指輪はこの先ずっとつけていく指輪……それだからこそ、内側をしっかり磨く工程はとても大事なんです。
内容としては、棒に紙やすりを巻き、ひたすら指輪の内側を擦っていく作業。
ここまでの工程で疲れも溜まる中、意外と細かくて大変です。
奥様は磨く作業が一番大変だったとのことで苦労されていましたが、終わってから触ってみると「スベスベになってる!」と驚かれていました。
そして最後は研磨剤を使って、力いっぱい擦っていきます……!
棒から始まった指輪が、ついに形に……!
最初は棒の状態から始まった制作でしたが、無事お二人のご希望通り、槌目型をベースに一部平打型を残したデザインが出来上がりました!
指輪をつけてお二人も安堵の笑顔。本当にお疲れ様でした……!
通常の指輪制作であれば、ここで内側に文字を入れて当日持ち帰りもできます。
しかし今回、お二人は更にこだわりを詰め込むべく、ダイヤモンドの石留、手書き印字、サンドブラスト加工をご希望されていました。
期間は一か月ほどいただきますが「どんな形に仕上がるかとても楽しみ」とこの日はいったん指輪とお別れし、ついぶ工房で加工のお預かり。
そして一か月後……
こちらがお二人でデザインも考え、棒からの手作りで出来上がった指輪となります!
槌目型をベースに、中央はサンドブラスト加工。奥様の指輪にはダイヤモンドが埋め込まれています。
サンドブラストの面は末広がりになり、奥様と旦那様の指輪がつながるような形になっていますね!
末広がりという表現は縁起の良い形として昔から伝わっており、 「上」(現在)から「下」(未来や将来)へ広がるという形に、永久的な繁栄、繁盛という意味が込められると言われています。
そんな想いも込めたデザイン、まさしくお二人のこだわりがギュッと詰め込まれていますね♪
そして指輪の内側。
お二人のイニシャルと、飼われている犬たちとハリネズミのイラストが入っています。とても可愛い仕上がりになりました!
外側だけでなく内側部分もオリジナリティ溢れていて、とても愛着の湧く指輪になりましたね。
お二人とも、この度はついぶ川越工房で作ってくださりありがとうございました。
たくさんの素敵なアイディアを形にしていった大切な思い出とともに、出来上がった世界にひとつだけの指輪。大切にお使いくださいませ。
末永く、お幸せに!
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ついぶ川越工房
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