BLOG 工房日記

カテゴリー
2023,05,19
お客様の声

今度はふたりで手作りを。婚約指輪から結婚指輪へ

お客様の声

T・A様

婚約指輪をこちらで作ったので今回も同じところで作ることにしました。
前回はワックスで作りましたが、結婚指輪はシンプルなデザインが良かったので槌目型を選びました。

Y・A様

指輪を買うことも検討しましたが、手作りの婚約指輪をもらった時に嬉しいだけでなく、自分も作ってみたいと思っていました。
どの作業も楽しかったですが、特に形が丸くなっていくところが面白かったです。

制作風景

今回ついぶ川越工房で結婚指輪の手作りに挑戦していくのは、プロポーズ用の婚約指輪も当店で作られたお客様。
前回は複雑な形状をWAXを切削して作るワックスデザインコースでの制作でした。

ご来店からちょうど一年前、旦那様が作りに来られた婚約指輪。

プロポーズが成功し、その後もサイズ直しをするため奥様とご来店されました。

結婚指輪は旦那様が「シンプルなものがいい」と希望しており、槌目模様を打ち込むデザインをシンプルリングコースで手作りすることに。
旦那様もこちらのコースで制作は初めてなので、ご夫婦一緒に楽しんでいただきましょう! それでは、そんな制作の様子を紹介していきます!

“1”から始まる結婚指輪の手作り!

ついぶ川越工房での手作り結婚指輪は、棒からスタートして作るシンプルリングコースでのご制作がほとんど。
見た目の通り”1”から始まる指輪作りは「ここからどう形が変わっていくんだろう」というワクワク感があります。

お二人が選んだ素材は旦那様がホワイトゴールド、奥様がピンクゴールド。お互いの分を作りたいということで、綺麗な指輪が出来上がるようしっかり作業をしてもらいますよ!

 

まず一番最初にやってもらう作業はガスバーナーによる『焼きなまし』という作業。
お二人に渡したばかりの材料はとても固くて曲げるのが困難な状態なのですが、この工程を挟むことで金属の組成が解れて均一になり、柔らかくなります。

普段の生活でお互いがガスバーナーを持って作業する姿は中々見ることはありませんよね。制作中は自由に写真撮影できるので、どんどんお互いの姿を撮っちゃいましょう♪
旦那様も作業している奥様の姿をパシャリ!お二人共とも楽しそうです!

焼きなましが終わったら、次はヤットコという工具を使って曲げていく作業。
真ん丸の形にするのではなく、棒の両端にある断面をピッタリくっつけることを目的としてやっていきます。

ここでそれぞれ作業の難易度に違いが出てきます。片方は固くて曲げにくく、もう片方は柔らかくて曲げやすい。
違いの要因は……それぞれの素材!
可愛らしいピンクゴールドは曲げる作業だと非常に固く、一方でホワイトゴールドは柔らかくて作業がしやすいんです。意外ですよね。

ここは指輪づくり2回目の旦那様が有利かと思いきや、ホワイトゴールドをどんどん曲げていく奥様。なんと初めての作業にも関わらず断面同士をピタリと合わせていました。お見事です!

 

“1”から“O”へ!溶接して叩いて、輪っかの形に

棒の断面同士を合わせただけでは、引っ張ったりするともちろん離れてしまいます。
今度は合わせた箇所が離れないように溶接して輪っかにしていく工程で、『ロー付け』という技法で行っていきます。

ロー付けはそれぞれの金属に対応した『ロー』という、指輪本体よりも融点の低い金属チップを使います。
溶接箇所にローを乗せてガスバーナーで加熱すると、ローが先に溶けて溶接箇所の隙間を埋めるように流れて入り、固まると離れない輪っかになります。

火を使った作業ゆえに緊張した面持ちで挑まれる方も多いのですが、お二人とも落ち着いてガスバーナーを握っていました♪

棒から輪っかになっても、まだ整った丸い形ではありません。
今回おふたりが選ばれた指輪のデザインは『槌目型』という、ハンマーを打ち付けて模様をつけるというもの。
ここからは以下のように進めていきます。

①木製のハンマーで叩いて形を丸く整える
②ヤスリで表面を綺麗にする
③金属のハンマーで打ち付けて模様をつける

 

芯金棒という丸い棒に指輪を入れ、木槌で満遍なく叩いていくと……このような丸い形に!
一気に指輪らしい形になりましたね。このまま模様付けの下地を作るためにヤスリを当てていきます。

スポンジ状のヤスリに指輪を擦り当て、粗いキズを取る作業。
この段階でキズが残っていると、槌目模様をつけた時の模様が汚くなってしまいます。
なので、ここは丁寧に。お互いの指輪を作っていますから、一旦それぞれ指輪の出来をチェックし合ってもらいましょう。

 

どうやら奥様のチェックが厳しいようで、旦那様がやり直しを告げられてしまったご様子……!
根気のいる作業で大変ですが、なんとか旦那様にもやり切ってもらいました。

デザインのメインとなる槌目の模様付けへ

いよいよお待ちかねの作業、ハンマーテクスチャとも言われる槌目模様をつける作業へ!
先程もハンマーを使いましたが、あちらは木槌。木槌とゴールドでは、ゴールドの方が硬いので叩いてもあまり凹んだりしません。
これから使うハンマーはゴールドより固い金槌で、金槌で叩くと凹みができ、それをたくさん重ねながらつけることで模様になっていきます。

作業中の写真も一枚!とても楽しそうに作っていただいています。

作業の様子を見比べてみると、旦那様は強めに叩いて大きな模様に、奥様は弱めに叩いて細かい模様に。槌目模様は叩く強さ、動かし方などで雰囲気が変わってきますので、人によってデザインが変わってきます。
本当の意味でオリジナルの、手作り感ある指輪になるんです!

また、この作業で指輪のサイズもお互いの指に合わせて調整していきます。
模様もついて、サイズ調整も完了。どんな指輪に仕上がるか、楽しみですね♪

 

残るは指輪の内側をヤスリでしっかり傷を消してツルツルにしていく工程。
終わりも近いですが、内側は肌に触れる箇所となるのでお互いの為に抜かりなくしっかり磨いてもらいます。

特にこのとき凄かったのは奥様で、ヤスリを当てるたびにキュキュッと音が!
かなり力を込めて上手く作業しないといけないのですが、初めてながらの御手前に旦那様も驚いた表情をされていました。

ここまで、表面も細かいヤスリを当ててから模様をつけ、内側もしっかりヤスリでキズが残らないように作業してもらいました。
最後は研磨剤を擦り当て、全体に光沢を出していきます。

これまでの工程で手を抜いてしまっては綺麗な光沢がでてきませんが、お二人共とっても真剣に作業をしていただきました。
どんな仕上がりになるでしょうか、楽しみです!

ピンクゴールドとホワイトゴールドに、 キラキラと輝く槌目模様!

棒の状態から始まり、曲げ、溶接し、叩いて、磨いて……ついにお二人だけの結婚指輪が完成いたしました!
奥様が叩いて作ったホワイトゴールドの指輪は細かい模様が、旦那様が叩いて作ったピンクゴールドの指輪は大きめな模様がキラリと光っていますね。

 

サイズも調節したので、ピッタリと指にはまりました。
出来たてホヤホヤの指輪をつけて、お互いとっても嬉しそうですね♪

こちらの指輪は内側への石留希望があったので、3週間ほどお預かりして加工の後、改めてお渡ししました。

婚約指輪の手作りから始まり、今度はお二人で結婚指輪の手作りまで。
何度も足を運んでいただき本当にありがとうございました。
たくさん思い出が詰まった二人だけの指輪、大切にお使いくださいね。

末永く、お幸せに!

 

 


ついぶ川越工房
〒350-0043 埼玉県川越市新富町1-6-2-2F
TEL:049-277-5252
E-mail:info@tsuibukawagoe.com
営業時間:10:00~18:00