BLOG 工房日記

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2022,03,28
お客様の声

手作りならでは!ゴールドに自分たちで槌目模様をつけた結婚指輪

お客様の声

R・S様

難しい工程も一つ一つ丁寧に教えてもらえたので、安心して楽しく作れました!

M・S様

手作りって思い出に残るからいいなー!と思いました。楽しかったです!

制作風景

今回のご夫婦が挑戦していくのは、イエローゴールドの甲丸型リングに槌目模様をつけた結婚指輪の手作り風景。
槌目模様は打ち込む人によって雰囲気が異なるので、まさに手作りにうってつけのデザインなんです。

笑顔たっぷりのご夫婦が手作りする風景、さっそく紹介していきましょう!

 

「ここから始まります!」期待を胸に、制作開始!

ついぶ川越工房で手作りする結婚指輪の9割は、鍛造技法という作り方。
始まりは金属の棒なので、そこから徐々に指輪の形を作っていく工程を楽しむことができるんです!

どんな作業ができるのか楽しみ!といったお二人の表情を一枚いただきました。

 

今回の材料はイエローゴールドですが、スタートの状態を見ると「あれ、ゴールドなのに色が黒い……?」と気づいた方もいますよね。
イエローゴールドやピンクゴールドは、硫化や塩化、酸化により変色を起こします。工房スタッフが初めにガスバーナーを使用して加熱・加工して材料を用意しますので、その影響で酸化して黒い状態なんです。

お二人もその色味を見て不思議そうでしたが、黒いのは表面だけ。磨いていけばしっかりとゴールドの色が出ますのでご安心ください!

さて、そんな普段聞くことのない知識などにも触れつつ、さっそく作業開始!
まずはガスバーナーで材料を加熱し、柔らかくする作業から。

イエローゴールドはついぶ川越工房で提案している素材の中でも2番目に硬い素材。いきなり曲げるのは非常に難しいので、加熱して急冷することで金属の組成をほぐし、曲げやすくしていきます。

工房スタッフの指示にそって、まずは奥様が挑戦。金に触れる機会も少ないのに、金を火で熱するなんてドキドキですよね。
ガスバーナーで温めていくと、黒っぽい色から、赤みを帯びてきます。
その様子に奥様も興味津々のようでした♪

 

加熱して焼きなましが完了したので、ヤットコという工具で曲げていく作業へ。
曲げやすくなったと言えども、プラチナやホワイトゴールドと比べると非常に硬いのは変わりません。

曲げる作業を続けていると二人で「この形で大丈夫かな?」といった様子が見受けられますが、この段階で綺麗な丸い形でなくても問題はないんです。
その理由は、この次に溶接をして一本の輪になった後、形を整えていくから。

まずは右側の写真のように、断面同士をピッタリくっ付けるところまできたらOK!
この作業は旦那様がとっても上手でした。
一方で苦戦されていた奥様でしたが、それを見たご主人が作業を手伝ってくれました♪

 
 
この後は溶接……なのですが、その作業風景を撮り損ねてしまいました。
そのため、溶接後の様子をご覧いただきましょう。

溶接はロー付けと呼ばれる方法で行います。
金ローという指輪よりも融点低い金属チップを溶接箇所に乗せ、加熱。
すると金ローが先に溶け、断面同士を繋ぎ合わせてくれるんです。

普段なかなか体験できない溶接作業。その上、加熱するのはゴールドなので余計に貴重な体験ですよね。
加熱すると赤くなっていくゴールドを見て、奥様はその色の変化が楽しかったとのことでした。

溶けた金ローは変色することがあり、写真の一部黒くなっているところが溶接完了した状態の様子となります。
これで無事、棒から輪っかとなりましたので、丸く形を整えてる作業に進んでいきます。

トントン、カンカン♪ まさに指輪を作っていると実感できる作業!

 

指輪を手作りすると聞けば、なんとなくイメージされることが多いのはハンマーで叩いていく作業。
それもそのはず、叩いて形を整えていくこの工程がとても楽しいからです!

楕円の状態で溶接された指輪を芯金棒という工具に通し、木製のハンマーでどんどん叩いていきます。すると少しずつ輪っかの形が丸に近づいていき、誰もが想像する真円の指輪になっていきます!
「ちゃんと丸くなるかな」と不安になる方もいますが、余すことなく叩いてあげれば、右側の写真のように自然と真ん丸の形を作ることができるんです。

叩いているお二人の様子も一枚いただきました。
楽しそうに作業されている様子が伝わってきて、とても素敵な笑顔!

 

今回は甲丸型に槌目模様をつける指輪。
丸くなってもまだサイズの確認はせず、先に表面の粗いキズを削り取っていきます。
使うのはスポンジ型のヤスリで、しっかり擦っていきます。

地道な作業ですが、この段階で傷が残ってしまうと後々の作業で槌目模様をつける際、綺麗な模様がつかなくなってしまいます。
指輪作りは根気も必要! やり残しがないようしっかりとヤスリ掛けしていきましょう。

実際にやってみた右側の写真をご覧いただくと、先ほどよりも整った表情が見えますよね。
ここまで来たら、いよいよ模様付けをやっていきます!

先程のハンマー作業では木槌という木製のハンマーを使いました。木槌では叩いた痕があまりつきません。
今から使っていくのは、金槌。
こちらは鉄製なだけではなく、叩く面がピカピカに整っているので、叩いた痕がくっきりと綺麗につきます。

早速お二人に金槌で叩いてもらうと、その度に模様がつきます。
ご主人がどんな感じで模様付けしているか、奥様も時々その様子をご覧になりながらカンカン叩いていました。

そして叩いた指輪がこちら!

先程までは表面の丸い指輪だったのが、しっかり槌目模様が打ち込まれています。
金槌で打ち込んだ模様ですが、これは同じ人が二回やっても同じ模様にはなりません。そういった意味でもこの指輪は“唯一無二の指輪”とも言えます。

さあ、そんな素敵な指輪もあとは内側をヤスリで整え、磨いていくのみです。
ラストスパート、頑張っていきましょう!

 

作業はまだもう少し続きます。
細い棒に紙ヤスリを巻き付け、その紙ヤスリで内側のキズを落としていきます。
表面のヤスリ作業と異なってちまちまと小さな動きで行う作業なので、集中力が必要。
終盤で疲れが溜まってきていますから、時々お互いの様子を見たりしながら休み休みやってもらいました。

表面は磨いてから模様付け、内側も磨いて、あとは研磨でピカピカにするだけ!
研磨剤を塗り込んで、槌目模様の奥や、内側の隅々まで。最後の力を振り絞ってやっていきます。

槌目模様がキラリと光るゴールドの指輪が完成!

棒の状態から始まり、難しい作業や地道な作業もありましたが……
ついに、おふたりの指輪が完成しました!

イエローゴールドは素材の中でも光りやすく、槌目模様まで光沢がしっかり出ています。
いきなり研磨剤を使ってもここまで綺麗に仕上げることは出来ません。
少しずつ積み重ねた作業があって、キラリと光る素敵な指輪が出来上がったんです。

そして指輪にはスタッフは文字入れをして、その場でお持ち帰り。
頑張って手作りした愛着のある指輪ですから、お店を出る時にそのまま指につけていけるのはとっても嬉しいですよね。

出来上がりのツーショットも一枚!
最初から最後まで明るい笑顔で、担当した者まで思わず笑顔になってしまうほどでした♪

そんなお二人の素敵な思い出と、手づくりした結婚指輪。
いつまでも大切にお使いくださいね。
この度はご来店誠にありがとうございました。
末永く、お幸せに!

 

 


ついぶ川越工房
〒350-0043 埼玉県川越市新富町1-6-2-2F
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