BLOG 工房日記

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2021,12,23
お客様の声

プラチナに淡いブルーがきらりと光る、手作りの結婚指輪

お客様の声

Y・K様

根気のいる作業が多くて大変でしたが、楽しかったです。
中でも指輪をハンマーで叩いていくと段々丸くなっていくところが楽しかった。

T・A様

楽しく制作が出来ました。
溶接する作業があり、ガスバーナーを使って普段体験できないことが出来て良かったです。

 

制作風景

今回のご夫婦が手作りしていくのは、プラチナの甲丸型リング。
プラチナは日本において結婚指輪、婚約指輪ともに多く使われる素材で、錆や変色がなく、非常に使いやすい素材です。
その中でも甲丸型という表面が丸くなった形状の指輪は、シンプルで飽きがこないので、永く使い続けることができるものになります。

シンプルだからこそ、綺麗に作っていきたい。
そんな想いを込めた指輪作りを早速ご紹介していきましょう!

ガスバーナー、曲げる作業からのスタート!

まずはお二人のツーショットを一枚!
この棒の状態からどのように指輪が出来上がっていくか、楽しみですね。

ちなみに今回のお二人は自分の指輪は自分でご制作。
形が出来上がっていくにつれて、愛着も湧いてきます。

 

まずは材料の焼きなましから。
お渡しした材料は非常に硬い状態なので、いきなり曲げて輪っかの形に……という訳にはいきません。

ガスバーナーでスタッフの方からOKの合図があるまでしっかりと熱していきます。
プラチナは融点が1800度と高く、ガスバーナーでは溶かせないので安心して火を当ててくださいね。

充分に熱すると、真っ赤な色になっているのが分かるでしょうか。
ここまで熱してから水で急冷することで、焼きなましという状態になり、材料が柔らかくなりました!

 

材料が柔らかくなったので、次はヤットコによる曲げ作業。
次の作業で断面同士を溶接するため、棒から輪っかの状態に曲げていきます。

皆さま、この工程で「綺麗な丸の形にならない……」と焦ってしまう方も少なくありません。
しかしご安心ください! 丸くするのは溶接してからですので、まずは断面同士がピッタリくっついていれば大丈夫です。

とは言うものの、いきなりプラチナを曲げましょうと言われても難しいですよね。
苦戦していた奥様を見た旦那様が、しっかりサポートしてくれました。
こういった光景も、手作りならではですね♪

 

棒の断面を合わせることができたので、いよいよ溶接作業。
溶接箇所に金属チップを乗せ、ガスバーナーで熱していきます。
金属チップはローといい、融点が低いので、プラチナよりも先に溶けて断面同士をくっつけてくれるという流れ。これをロー付け、といいます。

ローが溶ける瞬間はキラリと光って断面同士の隙間に流れていきます。
その瞬間を見て、お二人ともビックリ! 旦那様は、特にこのガスバーナーの溶接作業が楽しかったとのことでした。

トントン、カンカン。叩いて指輪の形に!

 

溶接が終わり、プラチナの棒から輪っかに。
しかし形は歪な状態ですから、ここから形を整えていきます。

木製のハンマーを使い、トントンカンカンと輪っかを叩く作業。
輪っかを芯金棒という丸い棒に入れてあるので、ハンマーで叩くことで棒にそって形が丸くなっていきます。

 

「ちゃんと丸くなったかな?」とお二人で進捗の確認をしていますね♪
そしてご覧ください、しっかりと丸くなっています。
先程まで歪な輪っかだったものが、真ん丸な指輪になりましたよ!

ハンマーで叩いてどんどん形が変わっていく様子は、奥様が特に楽しかった作業とのことです。
材料の状態から出来上がりの形へ近づいていく楽しさは、ものづくりの醍醐味ですよね。

しかし丸くなって終わりではありません。
ここからヤスリ作業でどんどん指輪を綺麗にしてもらいます!

まずは金属のヤスリを使い、粗い傷を削り落としていく作業。
材料時点での傷や、ヤットコやハンマーの痕などが残らないようにしっかりとヤスリを当てていきます。

終盤は紙ヤスリなどを使ってツヤを整えていきますが、それでは粗い傷を落とすことは出来ません。
この工程の段階でやり残しがないようにしましょう!

完成は間近!

 

ここまで進めば、作業は終盤へ差し掛かってきます。
紙ヤスリやスポンジのヤスリなどを使って、外側と内側のキズを細かくしていく作業。

地味な工程ですが、仕上がりに関わる大事なところです。まずはスポンジを使って表面を綺麗に。
お二人、お互いの指輪を見せ合い、やり残しがないかチェック!
その後スタッフも確認しましたが、上手くできているので次へ進みましょう。

そして次は内側にヤスリを当てていきます。
内側はあまり重要視されないかもしれませんが、指輪の着け心地にも関わる大切な部分。
今回はお二人とも自分の指輪を作っていますから、ご自身の為にしっかりと磨いてもらいました!

 

さあ、いよいよ研磨の作業!
研磨剤という磨き用のクリームを指輪に塗り、布でしっかりと磨いていきます。

ここでビフォーアフターを確認するために磨く前の写真を一枚。
しっかり研磨した時の仕上がりがどれだけ変わるか、楽しみですね!

研磨が終わったら、脱脂綿で今までの汚れを全て拭き取っていきます。
どれぐらい綺麗になったか、見せていただきましょう……!

プラチナの光沢がしっかりと出ていますね!
素材によって磨きやすさは異なりますが、プラチナは中でも光らせるのが難しい金属。ここまで光らせることができたのはお二人の頑張りがあってこそです!

お二人とも、本当にお疲れ様でした。

プラチナの甲丸型リングへ、誕生石をワンポイント

棒から始まり一本の指輪を作るのは、根気のいる作業が多くて大変だったという奥様。
それでも楽しんでいただけたようで、本当に良かったです。
そんなお二人のツーショット写真を一枚!

指輪はここからお預かりし、ご入籍月の誕生石であるブルートパーズをお入れしていきます。

シンプルなデザインにワンポイント、淡いブルーがきらりと光る指輪に仕上がりました。
手作りで想いを込めた指輪、永く大切にお使いください!
この度はご来店誠にありがとうございました。
末永く、お幸せに!

 

 


ついぶ川越工房
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