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2024,02,12
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川越で手作りしたペアリングに宝石を。指輪と誕生石の組み合わせ【7~12月】

こんにちは、ついぶ川越工房です。

前回、シルバーのペアリングと1~6月の誕生石の組み合わせについて記事紹介をしていきました。ついぶ工房で自分たちが1から手作りした指輪は愛着だけでなく唯一感もあるので、誕生石が入るとよりオリジナリティが増してきます。

誕生石には色の種類だけでなく、古代ローマ時代などを遡って様々な由来や象徴を持つものもあるので、気になる意味を持つ誕生石があったら是非チェックしてみてくださいね。

なお、1~6月の誕生石であるガーネット、アメジスト、アクアマリン、ダイヤモンド、エメラルド、ムーンストーンについてはこちらの前回の記事をご覧ください。

7月・ルビー

8月・ペリドット

9月・サファイア

10月・トルマリン

11月・トパーズ

12月・タンザナイト

なぜ、誕生石を入れるのか

 

 

7月 ルビー

鉱物名:コランダム
英名:Ruby
和名:紅玉
象徴:「情熱」「権力」「勝利」など

モース硬度:9
比重:4
屈折率:1.76~1.77

7月の誕生石・ルビーは宝石の中でも代表的なもので、赤い色のイメージをすでにお持ちの方も多いのではないでしょうか。
赤色といってもガーネットのような暗赤色とは異なり、ピンクを帯びた赤~紫を帯びた赤色をしています。そのため、シルバーと合わせると赤色の存在感を持ちつつも、高級感のある印象になります。

ルビーという名前の由来はラテン語で「赤」を意味する「rubeus(ルベウス)」から来ているとされており、遥か昔から赤の象徴とも言える存在でした。
古代ミャンマーではルビーの赤色が、燃え上がる「情熱」や「深い愛」に結びつくと信じられ、不老長寿の力を授けるお守り不死身の石として、戦士は体の一部を切ってルビーを埋め込んだという逸話があります。他にも、邪念を払い健康になる石として、古くは薬効もあるとされていました。

同じ赤系統でもガーネットのような格好良さを出す赤色ではなく、どこか高級感ある赤色を持つルビー。ダイヤモンドが宝石の王として君臨するまでは、ルビーが宝石の王者として扱われていたそうです。
色も象徴も存在感や強さを秘めたそんな宝石、シルバーとぜひ合わせてみてください♪

 

 

8月 ペリドット

鉱物名:オリビン
英名:Peridot
和名:橄欖石
象徴:「夫婦愛」「豊穣」など

モース硬度:6.5
比重:3.34
屈折率:1.64~1.69

8月の宝石・ペリドットはオイリーな輝きを持つ清い黄緑色の宝石で、同じ緑系統のエメラルドとは異なる印象を持っています。シルバーに埋め込むことでペリドットは目立ち過ぎず、指輪そのものが爽やかな印象に変わります。

ペリドットという名前はアラビア語に由来していますが、本来の意味は不明とされています。しかしペリドットは宝石名で、鉱物名の「オリビン」はその色から“オリーブ”に由来しています。
古代エジプト王朝では、太陽の宝石、繁栄のシンボル、悪魔除けの力もあるとされていました。そんな太陽という言葉からも「豊穣」の象徴を持ちましたが、その他にも熱狂を沈め心を平安に保つ医師と信じられてきたことから「夫婦仲を良好にする石」とされてきました。とっても素敵な象徴ですね!

8月の誕生石でありながら「太陽」を意味し、爽やかな黄緑色を持つなど、ペリドットはどことなく夏を連想させる宝石です。
手作りした指輪を、更にそんな熱い想いを秘めた仕上がりにしたい方はぜひペリドットをお選びください!

 

 

9月 サファイア

鉱物名:コランダム
英名:Sapphire
和名:青玉
象徴:「信頼」「誠実」など

モース硬度:9
比重:4
屈折率:1.76~1.77

9月の誕生石・サファイアは青色の宝石として極めて古い時代から親しみのある存在です。アクアマリンやブルートパーズの青色と異なり、神聖さを感じるような深みある青色が特徴で、思わず引き込まれるような魅力があります。
色味がしっかりとあるので、シルバーに合わせるとより青色の存在感が引き立つ仕上がりに変わってきます。

サファイアはラテン語で「青色」を意味する「sapphirus」に由来し、まさに青の象徴ともいえます。
キリスト教において神聖とされる宝石でもあり、聖職者の冠やリングに用いられたり、「神の信託を聞き逃さない石」として身につけられたそうです。また、邪心を抑え、情欲をコントロールするとして、夫が妻に浮気除けとして持たせたこともあったという逸話もあります。

そのように古来から総じて神聖さや誠実さを連想するのは、サファイアがそれほどまでに魅力的な深青色を持つからこそ。お互い手作りしたペアリングにこれらの象徴を持つ宝石を加えて、より二人の絆を深めてみませんか?

 

 

10月 トルマリン

鉱物名:トルマリン
英名:Tourmaline
和名:電気石
象徴:「成功」「慢心」など

モース硬度:7.5
比重:3.06
屈折率:1.61~1.63

10月の誕生石・トルマリンは「絵の具のパレット」とあらわされるほどにカラーバリエーションがあります。ついぶ川越工房ではその中でも「ピンクトルマリン」を用意しております。薄ピンク~紫ピンク系の色味を持つピンクトルマリンは、高級感の強いルビーやアメジストと異なり、指輪をどこか可愛らしい印象に仕立て上げます。

トルマリンの和名は「電気石」と呼ばれています。これまで紹介してきた宝石たちは色や見た目にちなんだ名前なのに、なぜ電気…?と感じた方もいらっしゃるのではないでしょうか。
これはトルマリンの非常に特徴的な性質で、この宝石は加熱したり摩擦を起こしたりすると、なんと電気を帯びるんです。この性質からオランダ人は喫煙パイプの奥に生じた灰をトルマリンで掃除するのに使ったとか……。ルビーやサファイアが宝石の王様としてのパワーを期待されていたのに対し、トルマリンは本格的な用途があってとっても面白いですよね。
もちろんそれだけではなく、中国では古くからスリランカ産のトルマリンが尊ばれ、官吏の階級を表すものとして着物に留められていたそうです。

他の宝石たちと異なり、このように実用的な効果を持つトルマリン。指輪に埋め込む大きさでは電気石としての効力はあまり望めませんが、シルバーの指輪を可愛らしい見た目に変えるアクセントとして、選んでみてください♪

 

 

11月 トパーズ

鉱物名:トパーズ
英名:Topaz
和名:黄石
象徴:「友愛」「友情」「希望」など

モース硬度:8
比重:3.54
屈折率:1.62~1.63

11月の誕生石・トパーズはトルマリン同様に様々な色味が存在します。その中でもブルートパーズと呼ばれる青みのある石をついぶ川越工房で扱っています。
アクアマリンとよく似た水色ですが、一般的にはブルートパーズの方がやや濃い色をしています。
それゆえに、シルバーと合わせることで爽やかさも持ちつつ、ブルー特有の落ち着いた印象も持ち合わせた指輪になります。

トパーズは歴史の中でたびたび他の宝石と混同されてきたので、それらにまつわる逸話も様々。
「洞察力を高める」「悪魔を祓う」といった言い伝えもあり、これの元になったと考えられる伝説は「トパーズは夜になると光るので、夜に光った処に印をつけ、朝に採掘した」という話がもとになったと考えられています。しかしトパーズは夜に光らないので誤りとされています。
他にもブルートパーズは低品質のアクアマリンと間違われ1970年代までは人気がなかったなど……これまで誤解を受けて苦労してきた一面がたびたび見られます。

科学的に進歩した現代では、色味のほかにも宝石としてしっかりとした硬さがあるなど、確立した宝石としての価値を見出されたトパーズ。歴史的に苦労人のような一面があり親しみやすいからか、象徴も「友愛」や「友情」など身近に感じやすい宝石です♪

 

 

12月 タンザナイト

鉱物名:ゾイサイト
英名:Tanzanite
和名:黝簾(ゆうれん)石
象徴:「高貴」「成功」「冷静」など

モース硬度:6.5
比重:3.35
屈折率:1.69~1.79

12月の誕生石・タンザナイトは青系の宝石ですが、ブルーサファイアなどの深青色とも異なれば、アメジストの紫色とも違う、非常に魅力的な青紫色をしています。青系の誕生石だと当ブログ筆者の一押しとも言える宝石。
角度によって紫かかった青色が見え、神秘的でありながらも青色の高級感を感じられるので、シルバーと合わせることでより魅力がグッと上がる指輪になります。

タンザナイトは歴史的に新しい宝石で、1967年にアフリカのタンザニアで発見されたゾイサイトという宝石を加工することで美しい青紫色になると発覚。新しい人気宝石になるとティファニーが取り扱い始め、「タンザナイト(タンザニアの夜)」として命名。そして今や誕生石の一角となるまで一気に人気の宝石へと上り詰めたのです。
ゾイサイトという鉱物そのものは1805年に発見されましたが、当時はさほど美しくない不透明石として扱われていました。この話の流れ、前回お話をしたダイヤモンドや先程のトパーズとどこか似ていますよね。

宝石の中では若輩者かもしれませんが、魅力的、神秘的な青紫色でまだまだこれからの価値にも期待されるタンザナイト。冬の時期にもピッタリな印象もあるので、12月生まれの方はぜひ指輪への石留にご検討ください!

 

 

なぜ、誕生石を入れるのか

前回、今回の記事では指輪と誕生石の組み合わせやそれぞれの宝石が持つ象徴などに触れてきました。
しかし、なぜそもそも「誕生石を指輪に入れて身に着ける」のでしょうか。

誕生石の由来は諸説ありますが、旧約聖書「エジプト記」に出てくる祭司長が身に着けていた12種類の宝石や、「ヨハネの黙示録」中に描かれた聖都を守る12 の城門にあった土台を飾っていた宝石が由来と考えられており、これらがイスラエルの12の使徒を象徴しているものとされています。
そしてそれぞれが一年の月ごとに分かれ「それぞれ生まれ月の宝石には意味があり、身に着けていると幸せが訪れる/加護を得られる」と信じられるようになりました。そこから地域や時代に合わせて誕生石が定められ、現代に至るとされています。
つまり、誕生石を身に着けることは御守りを持つことに近しいということになります。

しかし、あくまで自分の誕生月に合わせた宝石を入れるという慣習が決まり事であるというものではありません。
それ以外にも自分のイメージカラーや好きな色を選んだり、宝石が持つ象徴で選んだり、中には「宝石と言えばダイヤモンド!」とダイヤを選ばれる方も今までのお客様でいらっしゃいました。

大事なのは気に入ったものを身に着けることですが、やはり宝石の持つ意味で選びたいという方は「指輪とどんな組み合わせになるのかな」と気になる方も少なくないかと思います。
今回と前回の記事にて、そういった方の参考になれば幸いです。

石留やそのほかの加工について気になることがあれば、お気兼ねなくお問い合わせくださいませ。

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