和モチーフの結婚指輪「箱庭シリーズ」が登場　京都発、ついぶ工房ならではの新デザイン

こんにちは。ついぶ川越工房です。

近頃、お出掛けには傘が必要な日も増えてきましたね。
日本での6月はそんな梅雨というイメージもありますが、海外では『ジューンブライド』と呼ばれる「6月に結婚すると幸せな結婚生活を送ることができる」というヨーロッパ由来の言い伝えがあり、
ついぶ工房でもその時期に決めて結婚指輪を作りに来てくださるお客様も多くいらっしゃいます。

そんなブライダルにぴったりのこの6月、私たちついぶ工房は新しい結婚指輪のデザインをご用意しました。

「箱庭シリーズ」とは？

「箱庭シリーズ」は、日本の伝統的な”吉祥文様”を現代風にアレンジし、指輪に彫り入れた和のデザイン。

「吉祥文様（きっしょうもんよう）」という言葉に聞きなれないという方もいらっしゃるかと思いますが、これは鶴や亀、ダルマ、鯛など縁起がいいモチーフを文様にしたもので、日本においてお祝いの品、日用品、着物や帯、工芸品など……実は日常の様々なところで目にすることがあると思います。

そんな吉祥文様を元にして、伝統工芸の技を受け継ぐついぶ工房の職人たちが結婚指輪に取り入れやすいデザインにプロデュース。現代でも使いやすく調和する３つのデザインにそれぞれお二人の結婚をお祝いする想いを込めました。

今回は「箱庭シリーズ」の3つのデザインとなぜこのシリーズが生まれたのかなどをご紹介させていただきます。

箱庭という名前に込めた想い

刻んだ模様の陰影が凜と佇む様はまるで日本庭園に描いた枯山水のよう。模様を刻む指輪を小さな庭と見立てて、手のひらに収まる伝統工芸をイメージしてこの名前を付けました。

なぜ、吉祥文様を入れるのか

ついぶ工房では既に結婚指輪の和彫りオプションとして唐草模様やオリーブ模様があり、これまでのお客様にもご好評をいただいておりました。
その上で、今回は「箱庭シリーズ」を新たに展開させた理由をおはなしさせていただきます。

古くから日本では家紋にもみられるように工芸品や美術品だけでなく日用的に使う小物や着物にも様々な文様があしらわれてきました。
多くのモチーフが存在する日本の文様にはそれぞれ意味が込められ、吉祥文様はそれらの中でも特に、とりわけ縁起が良いものとして扱われてきたもので、
『長寿』『繁栄』『幸運』『夫婦円満』などをあらわすものが愛されてきました。

これからをずっと寄り添うふたりの結婚指輪にとって、これほどピッタリな意味合いを持つ文様はありません。

そんな日本の文化である文様を伝統的な技法と一緒に取り入れて身に着けて欲しいという想いから
数ある文様の形や意味を吟味して選び抜いたものを現代風にアレンジし、ついぶの職人がひとつひとつ手彫りすることで
自分たちで想いを込めて手作りした指輪がより特別なものとなっていただけたら嬉しいと思い、今回このワンポイント和彫りシリーズ「箱庭」を考えました。

デザインと和彫り特徴

技術が進歩してきた現代において、文様をレーザーなどの機械で指輪に刻むことも少なくありません。私たちも時代に沿って、機械による現代の刻印技術を取り入れております。
その一方で、ついぶ工房では『和彫り』という伝統的な技法による模様入れを創業以来ずっと続けてきました。
『和彫り』では機械などを利用して指輪に刻む文様とは違った陰影が生まれ、独特の立体感と輝きを楽しむことができます。
新たな「箱庭シリーズ」においても例外ではなく、この『和彫り』という伝統技法で入れることで立体感やきらめきを楽しんでいただけます。

日本の美意識を大切にしつつ現代スタイルにもマッチする和モチーフをぜひ二人が手作りしたご結婚指輪に取り入れていただきたいです。

これまでの中でも、特についぶ川越工房では結婚指輪にダイヤモンドなどの宝石をいれるお客様は多くいらっしゃいました。
その一方で、「自分たちには可愛過ぎたりキラキラし過ぎたりするデザインは苦手で……」というお声もいただいたことがございます。

そこで今回の特色でもある『和彫り』であれば、ダイヤモンドのきらめきとは異なった輝きを指輪に持たせることができます。
そうすることで「ワンポイントが欲しいけど、可愛すぎる…キラキラし過ぎるものは避けたい」という方や、
「デザインはさりげなく、ふたりにとって縁起の良い結婚指輪がいい」というお二人にもピッタリ。
これが、長年『和彫り』技法を続けてきたついぶ工房だからこそ提供できる「箱庭シリーズ」の大きな特徴です。

　
ここまでが「箱庭シリーズ」の概要や特徴となります。
ここからは実際に選べるデザインについて、ご覧くださいませ。

選べる３種の和モチーフ

「箱庭シリーズ」には現在３つの和モチーフデザインを用意しております。
デザインは『わかまつ』『いしだたみ』『ろっかく』。それぞれについて紹介していきます。

わかまつ
　
先端に新芽の出た松の模様は新しい季節の象徴。
末広がりの三角のかたちでこれからのふたりの生活がはじまりますように。

いしだたみ

交差するような石畳文様は途切れなく続くことから縁起のいいモチーフ。
水引のようなふたりをつなぐ結び目にも見えるようなデザインでふたりをつなぎます。

ろっかく

吉兆の亀の甲羅や幸運のモチーフのミツバチの巣など自然界に存在する六角形。
織りあったようなデザインでふたりが一緒に過ごしていく日々をイメージして。

加工の詳細・価格例

通常のシンプルな手作り結婚指輪であれば、通常は当日お持ち帰りも可能。
一方、「箱庭シリーズ」のような職人スタッフが加工するものは、ご納期と加工費が発生します。

それらに合わせて加工費を加味した価格例も紹介いたしますので、ご予算の参考などに是非ご覧ください。

　
◆ご納期　４週間～

ご制作日より上記お預かり期間が発生いたします。
なお、ワンポイントではなく複数を彫り入れた場合や、他の加工と合わせてのご依頼があった場合は更にご納期をいただくことがありますのでご注意ください。
お急ぎ対応についてもご相談いたしますので、ご希望の際はお気兼ねなくスタッフまでお声がけくださいませ。

　
◆加工費　￥4,400～

指輪の制作費に加え、上記加工費が発生いたします。
記載の金額はワンポイントでの加工費となっており、複数や一周で彫りをご希望される場合は追加で加工費が発生いたします。

　
◆実際の価格例

※実際の価格は使用する金属の重さを測定して算出しますので、表記より前後することがございます。
　また、価格は全て税込表記となります。

M’s：わかまつ（3点彫り）
プラチナ・平打型・3mm幅・マット仕上げ
　￥ 105,500 –

L’s：わかまつ（3点彫り）
プラチナ・平打型・2.5mm幅・鏡面仕上げ
　￥ 92,000 –

M’s：ろっかく
プラチナ・甲丸型・2.5mm幅・鏡面仕上げ
　￥ 76,500 –

L’s：ろっかく
ピンクゴールド・甲丸型・2.5mm幅・鏡面仕上げ
　￥ 78,500 –

M’s：いしだたみ
イエローゴールド + プラチナ・甲丸型・3mm幅・シェアリング・鏡面仕上げ
　￥ 110,000 –

L’s：いしだたみ
プラチナ + イエローゴールド・甲丸型・3mm幅・シェアリング・鏡面仕上げ
　￥ 105,000 –

ついぶが紡ぐ和彫りの技術

前述の通り「箱庭シリーズ」では機械による刻印ではなく、ついぶの職人による『和彫り』技法によって彫り入れております。

和彫りは、日本で 1000 年以上の歴史を持つ伝統的な装飾技法。
鏨(タガネ)という刃物を職人自身が研ぎ、そのタガネの上から小さな金槌で叩いて、指輪などの金属に一本一本の模様を彫っていきます。
これらは高度かつ繊細な技術で、熟練の職人にとっても非常に手間のかかる技法ゆえ、時代とともに受け継ぐ職人も減り希少性が高くなってきました。
ついぶ工房でも和彫りの技術を会得し、実践でお客様の指輪に彫り入れるまで最低５年の訓練を必要としています。

ついぶ工房は京都から始まり30年以上、これまでたくさんのお客様に指輪を手作りしていただき、そのサポートをしてまいりました。
そして、私たちは『お客様の指輪作りをサポートする職人』でありながら『お預かりしたお客様の指輪を加工する職人』でもあります。
こうして２つの職人として指輪の手作りを続けてきた想いの中に、日本の伝統をより身近に感じていただきたい、日本の古き良き伝統技術を継承したいという気持ちがあるからこそ、
今回の『和彫り』技法にこだわった新しいデザイン「箱庭シリーズ」を生み出しました。

私たちついぶ工房の職人たちが提供する手彫りの美しさと繊細さを、お客様にも触れていただけると幸いです。