【結婚指輪・ペアリング向け】気になる金属アレルギーを解説!シルバーやゴールド、プラチナはアレルギーになりにくい?
こんにちは、ついぶ川越工房です。
埼玉の川越では4月前半に肌寒い日も続きましたが、ようやく暖かい気候へと変わってきました。それどころか一気に暑さを感じ、日中には汗をかいてしまう方もいらっしゃるのではないかと思うほどです。
次第と夏が近づき汗をかくようになるそんな時期、金属を身に着ける上でも影響があるのをご存知でしょうか。
それはずばり、【金属アレルギー】です。
普段からアクセサリーを身に着けない方にとってはあまり気にすることが少ないアレルギーではありますが、10人に1人が金属アレルギーを持っているとも言われています。
当店、ついぶ川越工房は指輪の手作りをお客様に1から10まで体験していただく工房。
やはり、これまでにも予約を検討しているお客様の中には
「パートナー/自分が金属アレルギーで……」
といったお悩みや問い合わせをいただいたことがありました。
アレルギーと聞くと大切な体に関わることなので、身構えてしまいがちですよね。
しかし実は、一言に金属アレルギーといっても様々な種類や程度があり、そのことをご存知ないというお客様も多くいらっしゃいます。
今回はそんな金属アレルギーについての解説をしていきます。「川越デートで指輪の手作り体験をしたいけど、作った指輪をちゃんと着けられるのかな」「アレルギーかもしれないけどよく知らなくて……」「一生つける結婚指輪だからしっかり選びたい」などといった方もいるかと思いますので、興味ある方は是非ご覧くださいね。
◇まとめ
金属アレルギーとは
アクセサリーなどの金属を身に着けている際、その箇所が赤くなる、痒くなる、酷い場合には皮膚がだだれる。
こういった症状の原因のひとつが「接触性皮膚炎」と呼ばれ、触れている金属を身体が異物と判別してしまい免疫反応を引き起こすことで炎症が起きます。
これこそが金属アレルギーの反応です。
ではどのようなメカニズムで身体が金属を異物として判別してしまうかというと、その原因の多くは“汗”にあります。
汗により金属が溶けて金属イオンとなり、その金属イオンを含んだ汗が皮膚に染み込む。そうすると皮膚のタンパク質が金属イオンと結合するのですが、この結合物がいわゆる“アレルゲン”となってしまいます。
身体はこのアレルゲンともなる結合物を異物とみなして免疫反応を起こし、赤くなったり痒くなったりといった炎症を引き起こしてしまうのです。
※他にも口内で起きるものもありますが、今回は割愛。
つまり金属を身に着けて汗をかくことで、金属アレルギーを発症してしまうリスクが増えてしまうということ。
昨今の夏の暑さで汗をかかない方が難しいですし、
そこだけ聞くと暑い日に金属を身に着けるのが怖くなってしまいますよね。
しかし実は、金属そのものにも多くの種類があり、中でもアレルギー反応を引き起こやすい金属、引き起こし難い金属があるんです。
種類とは一体どういうものか、次はそのことについてお話ししていきましょう。
金属アレルギーの種類
ついぶ川越工房でアレルギーについて問い合わせでよくあるのは「金属アレルギーなのですが、それでも作れますか」という内容。
同じお悩みをお持ちのお客様には大変恐縮ではあるのですが
実は、このご質問だけだと明確な回答ができないんです……。
なぜなら、金属アレルギーには多くの種類があるから。
例えば食物アレルギーにも卵、エビ、牛乳、小麦などたくさんの種類が存在しますよね。
金属もそれと同様で、一言で金属といっても、鉄、金、銀、銅など、身近なもので見てもたくさんの金属があり、その種類の分だけアレルギーが存在するんです。
皮膚科での受診でも約16種ほどの金属アレルギーを調べることができます。
「えっ、そんなに種類があるの?」と驚かれるかもしれませんが、ざっと列挙してみると……
アルミニウム、コバルト、スズ、鉄、白金(プラチナ)、パラジウム、マンガン、インジウム、イリジウム、銀(シルバー)、クロム、ニッケル、亜鉛、金(ゴールド)、銅、水銀
もちろんこの他にも金属は存在しますが、おそらくこれらの半分ほどは小学校や中学校の理科・化学で聞いたことのある名前だったり、身近にある物ではないでしょうか。
普段は一括りに“金属”と称されてしまいがちですが、このように並べてみると「確かに知っている金属だ」というものが多くあります。
さて、ここで改めて「金属アレルギーなのですが、それでも作れますか 」というご質問を見てみると、回答が難しいことがお分かりいただけるでしょうか。
そうなんです。
お察しの通り、「お客様が何の金属に対してアレルギーが出ているのか」が分からなければ明確な回答が難しいんです。
……でも自分がどの金属アレルギーなのか、把握している方はそう多くないと思います。
では、どうすれば正確な金属のアレルギーを特定できるのでしょうか。
ご自身が何の金属アレルギーなのかは、話の中で少し触れていた 皮膚科による金属アレルギーのパッチテスト を受けることで調べることができます。
どの金属に反応がでるかだけでなく、どのレベルの反応(赤くなるだけ、痒くなる、ただれるなど)なのかも調べることができるんです。
ところがこのパッチテスト、ぞれぞれ該当の金属イオンを含んだ小さなテープを全て肌に貼って一週間ほど過ごし検査するという内容で、人によっては痒いのを我慢して過ごさなければならなくなるなど、少々手軽さには欠ける診断。
※詳しくは受診する皮膚科によって異なります。
一生身につける結婚指輪であればともかく、気軽に作りたい/身に着けたいペアリング等であれば「正直そこまでして……」「他に知る方法はないの?」という方も多いかと思われます。
そこで先ほどお話ししたように、中でもアレルギーが出やすい金属、出にくい金属があります。
これらは絶対を保証するものではありませんが、少しでも金属アレルギーの可能性を避けるために知っておきたいという方も多いかと思うので是非お読みください。
アレルギーが出やすい金属
『水銀』『ニッケル』『コバルト』、これらは金属の中でも最もと言っていいほど、アレルギーが出やすい金属となります。
そして次点では『クロム』『パラジウム』『亜鉛』『マンガン』『銅』が挙げられます。
最もアレルギーが出やすい金属の名前を見て「ほとんど身に触れない金属だし、自分の症状はこれとは別の金属が原因かな」と思った方も少なくないかと思います。
ところが、多くの金属アレルギーの原因は『ニッケル』だと言われています。
一体何故と思うかもしれませんが、実はニッケルという金属はかなり身近なところにいるんです。
こちらは合金や、銀色の表面コーティングのメッキに使われることが多く、
例えば腕時計、バックルなどのファッション用品から、雑貨屋や洋服店にある1000~2000円で買えるプチプラの指輪やネックレス、あるいは調理器具やメガネの金属フレームなど多岐に渡ります。
そして、このニッケルは汗に溶け出しやすいため、初めにお話ししたような流れが起きて金属アレルギーを引き起こすことが多くあります。
このとき、ニッケルの色は暗い銀色をしているのでシルバーと間違えてしまい「自分は銀に金属アレルギーがある」と勘違いしてしまう方もこれまでにいらっしゃいましたが、銀色だからといってシルバーというわけではありません。
銀色をした安めのアクセサリーをつけていたら痒くなった、赤くなったという方は、まずこの『ニッケル』による金属アレルギーを疑ってみても良いかもしれません。
ちなみに
ついぶ川越工房で取り扱っているシルバー、ゴールド、プラチナ素材そのものにニッケルは含まれていないのでご安心ください。
アレルギーが出にくい金属
最もアレルギーが出づらいのは『チタン』で、次いで『金(ゴールド)』『プラチナ』、さらにその次が『銀(シルバー)』とされています。
アレルギーが出づらいということは、汗などに反応して金属イオンが溶け出してしまうことが少ない、安定性のある金属ということになります。
チタンを除いたゴールド、プラチナ、シルバーはまさについぶ川越工房でも主に使われている金属となります。
ただし気を付けなければならないのは、これらは「絶対にアレルギーが出ない」という訳ではなく、あくまで「アレルギーが出づらい」金属であること。
いずれの金属においても絶対を保証するものではないことだけ気を付けてくださいね。
他にもアレルギーが出づらいと言えば、よく耳にするのは『サージカルステンレス』という素材。
これについて解説する前に知っておかなければならないことは、そもそも『ステンレス』という金属元素は存在しないということ。
ステンレスは主に『鉄』と『ニッケル』などを溶かし合わせた合金。そう、先ほどお話したアレルギーが出やすいニッケルが含まれているんです。
しかしステンレスの大きな特徴として、その表面に酸化被膜という酸素と結合した膜を張りやすいという性質があります。
その膜があるおかげでステンレスの表面に汗がついても、金属イオンが染み出すことがないので、アレルギー反応を起こしづらいという仕組み。
逆を返せば、その酸化被膜を失ってしまった状態のステンレスは金属イオンが染み出してアレルギーを引き起こす可能性があるということだけ気をつけなければなりません。
サージカルステンレスも合金となっており、その内訳は鉄、ニッケル、クロムなどを溶かし合わせたものなので、含まれる金属そのものはアレルギーを起こす可能性が十二分にあります。
一方、この合金はステンレス以上に酸化被膜を非常に形成やすいという性質を持っていることから、アレルギー反応を起こす恐れをより抑えられている金属として「アレルギーフリー」などと扱われています。
つまり、同じようにアレルギーが出づらいとされているチタンやプラチナ、ゴールドとは少し意味合いが異なり、
ステンレスに含まれる金属そのものはアレルギーが出やすいけれど、表面に膜を張っているからアレルギーが出づらいという仕組み。
日常生活の中で一言に“金属”と言っても、少し見てみるとこんな違いがあるというのも面白いですよね。
ついぶ川越工房で選べる素材
ここまでは金属アレルギーとはどんなものか、アレルギーにはどんな金属の種類があるのかをお話ししてきました。
それではここからは、指輪の手作り体験を行っている当工房が提供している素材についても紹介していきます。
ついぶ川越工房ではこれまでにも多くのお客様にシルバーのペアリングや、ゴールド・プラチナの結婚指輪や婚約指輪をご製作いただいております。
これらの素材についてお話しする前に知っておかなければならない知識として、
アクセサリーやジュエリーにおいて呼称されるシルバー・ゴールド・プラチナというのは基本的に純物質(純銀、純金など 100%の組成 )ではありません。
稀に100%の金属が使われる場合もありますが、純物質だと非常に柔らかくて日常的に身に着けると傷つき歪むなど、実用強度には劣ってしまいます。
そこで合金という、別の金属を溶かし合わせた金属は純物質と比べて固くなるという性質を持ちます。
例えばアクセサリーブランドなどで見かけるSilver925という素材は92.5%が銀、残りの7.5%に銅などを混ぜ、実用的な強度を持たせた合金にしています。
ここで話が戻りますが、ついぶ川越工房で扱う各金属も同様になります。
シルバー Silver950(95%が銀、残りに銅)
プラチナ Pt900(90%が白金(プラチナ)、残りにルテニウム、パラジウム)
ゴールド K18(75%が金、残りに銀や銅、パラジウム)
上記の通り、一番アレルギーが出やすいとされるニッケルは当工房の金属に含まれていませんので、安心して各素材の指輪をお選びください。
もし万が一起こるとすれば、それ以外の数パーセントに含まれているパラジウムや銅が肌に反応してしまったり、ゴールドやプラチナがアレルギーとして出る可能性も全くのゼロではありません。
どうしても気になる場合は、先ほどお話した金属アレルギーのパッチテストを行ってみてくださいね。
まとめ
今回の記事では金属アレルギーが気になるというお客様に参考になるよう解説を主に行っていきました。
まとめると
・汗に溶け出した金属がアレルギー発症の原因になりやすい
・金属アレルギーには多くの種類がある
・アレルギーが出やすいもの、そうではないものがある
・金属アレルギーが起きづらいものとて絶対を保証するものではない
・どうしても気になる方は皮膚科でパッチテストの検査がオススメ
実は、当ブログ筆者もついぶ川越工房で働いている身ではありながら金属アレルギーがございます。
それこそまさにニッケルを含んだメッキのアクセサリーで肌がただれてしまったのですが、シルバーやプラチナの指輪をつけたり、作業でシルバー・ゴールド・プラチナの粉がついても目立った変化はないままお客様の体験のお手伝いをしたり、指輪の加工を行っております。
このように、金属だからといってすべてにアレルギー反応が出るわけではございません。
既に症状がある方はどんな金属を身に着けていたのか、これから知っていく人はどんな素材を身に着けようとしているのか。
金属の種類は性質は奥深いので、これを機会に調べてみてくださいね。
お問い合わせはこちら
当店、ついぶ川越工房はお客様の手によって金属の棒から指輪になるまでを手作りで体験できる工房です。
今回の記事で取り上げた金属アレルギーの他、気になることなどございましたらお気兼ねなくお問い合わせくださいませ。
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