BLOG 工房日記

カテゴリー
2021,09,22
お客様の声

槌目模様と手書きイラストを入れたピンクゴールドのご結婚指輪

お客様の声

Y・T様

もともとふたりの結婚指輪は別で持っていたのですが、
指輪の手作りにずっと憧れていて、今回2個目の結婚指輪を作りました。
とても楽しくて素敵な思い出になりました!

S・T様

模様を打ち込んでいく工程が特に楽しかった。
そして指輪の形がどんどん出来上がっていくのがとても良かったです。

 

制作風景

今回ご夫婦でご制作されたのは、甲丸型という表面が丸い指輪にハンマーで槌目模様を打ち付けたご結婚指輪。
素材はお二人共がピンクゴールドで、指輪の内側には自分たちで書いた文字やイラストを入れた指輪になります。

カナダ生まれの旦那様と日本人の奥様が挑戦する結婚指輪の手作り、その様子を早速ご紹介していきましょう!

スタートは金属の棒から!

ついぶ川越工房で一番人気のシンプルリングコース。
その魅力のひとつは、輪っかではなく棒状の材料からスタートすること。
いろんな状態を写真を撮っておくとビフォーアフターを見た時に「この状態から指輪になったんだ!」という感動や驚きもありますのでどんどん写真に収めていきましょう♪

まずはお二人のツーショットを一枚!
今回はご自身の指輪を自分で作るということだったので、愛着が湧くような指輪をしっかりと作ってもらいますよ~~!

 

最初に行うのは『焼きなまし』という、硬化した金属を熱して曲げる加工などを行いやすくする作業。
ピンクゴールドは見た目の可愛さに相反してびっくりするぐらい硬い金属ですので、まんべんなく熱してもらいます。
今回の素材はガスバーナーでも熱し過ぎると溶けてしまうので、通常はスタッフのフォローもしながらの作業となります。しかし絶妙な加減で作業をしていた旦那様、危なげなく焼きなましができました!

柔らかくする作業が終わったら、次はそのまま曲げる作業へ。
片丸ヤットコという特殊な形をしたペンチのような工具を使い、材料の断面同士がくっつくまで形を曲げていただきます。
全行程を通しても、1,2番をあらそう難しい作業でもあります。

前述の通り、曲げるには非常に硬い素材がピンクゴールド。
力持ちな旦那様はここも難なくクリアしますが、奥様がちょっと厳しそうかな…… と、思っていたら!

 

優しい旦那様が奥様の作業も手伝ってくれました……!
こういったお二人の支え合いも、手作りならではの体験ですよね。
偶然カメラを構えていたスタッフも微笑ましい光景を思わずパシャリ。

そんな助け合いもあり、断面同士をくっつけた輪っかの形にすることができました!

溶接作業と、作業後の待ち時間に……

 

曲げる作業が終われば、次は溶接作業。
『ロー付け』という技法で、断面同士を合わせたところに金のチップを乗せて火で熱します。チップが指輪より早く溶ける素材なので、熱すると溶けたチップが断面同士の隙間を埋めてくっつけてくれます。
「溶かしただけで隙間に入ってくれるの?」という疑問があるかもしれませんが、毛細管現象という作用で上手く隙間に入ってくれるんです。

お二人とも慣れてきたのか、ここで火作業の様子を撮影されていました。
パートナーがエプロンをつけてガスバーナーを指輪を炙るなんて光景、ここでしか撮れませんね♪

 

溶接もスムーズに進み、ここで少し待ち時間。
その間にお二人で、指輪内側への文字内容を考えていただきます。

今回お二人がご希望されたのは『手書き印字』という、ついぶ川越工房でも人気の加工。
自分たちが描いた文字やイラストがそのまま指輪の内側へ入るので、手作り感もあり、世界にひとつだけの結婚指輪になるんです!
どんなイラストを入れるのかお二人で相談し合い、紙に書いて試行錯誤。こうやって考える時間も楽しみのひとつですよね。

文字内容はここでお決まりのご様子。
作業は中盤、ここからもどんどん進めていきますよ~!

丸くして、磨いて

 

溶接ができて輪っかになったところで、まずは指輪を真ん丸にしていく作業。

使うのは芯金棒という鉄の棒と、木槌という木製ハンマー。
芯金棒に指輪を入れ、木槌でトントンカンカン叩いていくと、指輪が芯金棒の丸さに沿って真円に近づいていきます。

ピンクゴールドはしっかり叩いてあげないと丸くならないので、お二人とも真剣に作業されていますね。トントン、カンカンと叩く音が工房内に響き渡っていました♪

 

丸くなったところで、次は表面の粗い傷を取っていきます。
今回はハンマーで叩いて槌目模様をつける指輪の制作ですが、まずは模様をつける面のキズ取りをしっかりしてあげなければ、綺麗な模様付けができません。

お渡ししたヤスリでしっかり指輪表面を擦ってもらうと、ここで色味に大きな変化が出てきました!
先程までは酸化膜という黒い皮膜がピンクゴールドを覆っていましたが、しっかり削り取ることで本来のピンク色がしっかり見えてきていますね。

順調に進んでいますので、ペースを上げて作業を進めていきます!

お待ちかねの模様付け! そして仕上げへ

 

準備も整ったところで、いよいよハンマーで叩いて槌目模様をつけていく作業。
今度使うのは先程の芯金棒と、金属製の金槌。
芯金棒に入れた指輪を金槌で叩いていくと、金槌で叩いた痕がつきますので、これをどんどん繰り返していって模様を重ねていきましょう。

するとピンクゴールドの指輪に模様がたくさん!
終盤になってきたのでお二人とも一層真剣に作業していただいてますね。

この作業では模様付けだけでなく、サイズの調整も自分たちで出来ちゃいます。
今回はご自身の指輪を作られていますので、自分の指にあったサイズになるよう大きくしていきましょう!

 

模様付けとサイズ調整も出来たら、残るは指輪の内側もヤスリで綺麗にして、研磨していくのみとなります。
これまでの頑張ってきた作業の成果を出すところでもあり、ラストスパート!

しかしながら磨きの作業は単調作業。
まだまだ体力が有り余っていたお二人、ここで手を動かしながらカナダでの出会いのエピソードなど担当スタッフと楽しくお話をされていました。

内側のヤスリ作業も終わり、残るは研磨。自分たちでつけた槌目模様も隅々まで磨いて、完成となります!

見事、ピンクゴールドに槌目模様がついた素敵な指輪が完成♪
お二人とも、お疲れ様でした!

ここからは指輪を一度お預かりし、当工房でご希望の加工を進めさせていただきました。

世界に一つだけの指輪が完成!

 

今回お二人がご希望された加工は、自分たちで手書きをしたイラストと文字の刻印加工と、石留加工。
外側には金槌で模様付け、内側には手書きの文字入れと、本当にふたりだけの結婚指輪が出来上がりました!

今回は手作りをしたくて2つ目ということでしたが、ぜひ大切にお使い下さいませ。
この度はご来店誠にありがとうございました。
末永く、お幸せに!

  

 


ついぶ川越工房
〒350-0043 埼玉県川越市新富町1-6-2-2F
TEL:049-277-5252
E-mail:info@tsuibukawagoe.com
営業時間:10:00~18:00